OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

ネット世代は有能になれる?ー「言葉:巨人の肩に乗って」

広大なインターネットがあれば巨人の肩に乗る(by standing on the sholders of Giants)ことが易しい

 巨人の肩に乗るということばがあります。これは先人に学べということです。 wkipediaでは次のように説明されています。 巨人の肩の上 - Wikipedia 詳しくは後で説明するとして、大事なことは「しっかり学ぶと自分が楽できる」ということです。そして、これはインターネット世代こそ有利なことだと考えています。特にインターネットネイティブな世代は有利なんじゃないでしょうか? 今日はこの話を進めていきます。
 風太郎は問題解決で生活しています。この問題解決っていうのを長年やっていると「いつかどこかで似たような話を聞いたな」ということが多いです。以前なら相当本を読んで、経験も積まないとなかなかレベルアップはむずかしかったのです。また、風太郎は、色々なコンサルタント(研究者の副業としてのコンサルタント含めて)の方と話することも多くあります。技術的なものも含めて、問題解決のコンサルタントの方は多くの経験を積んでいるようです。そのため、優秀なコンサルタントはある程度の年齢の方や、かなり早く出世されたような人が多いようです。
 そういう方々と話をすると自分とのレベル差を感じることも多々あります。そして、彼らには共通点がある様です。

巨人の肩に乗るということ

 そういった、優秀なコンサルタントの方全員に”先生”とか”博士”とか呼ぶ彼らを指導した先生(ややこしいので大先生と呼びます)がいます。さらにその大先生方を指導した人もいるようです。  大先生の大本となる様な人、そういう人がゼロから理論を構築したか?というとそういう訳ではないようです。ここで例としてて、何人か調べてみます。調査のしやすさからどうしても日本人に関係する人になってしまうのはご容赦ください。

TOC(制約理論)ゴールドラット 博士

 TOC(制約理論)で有名なゴールドラット 博士は日本の大野耐一氏(トヨタ生産方式の産みの親と呼ばれている方)から影響を受けました。個人の費用で、当時日本語でしか出版されていなかった”トヨタ生産方式”の翻訳をされたそうです。また、大野耐一氏も幾人かから影響を受けたようです。もともと大野耐一氏は紡織関係の会社からトヨタ自動車工業に転籍しています。その関係から影響を受けているようです。

品質工学(タグチメソッド)田口玄一博士

 品質工学・タグチメソッドで有名な田口玄一博士も当時の高名な統計学者である増山博士を師と仰ぎ、増山博士の前ではおとなしいものだったとお弟子さんが語っています。また、田口博士の論説を読むと、フィッシャーや色々な論文を読みこなしています。田口先生は戦前生まれ(従軍経験もあり)という英語の勉強のしにくい世代に関わらず、どうやって英語を学び、論文を入手したか不思議に思います。また、頻度主義全盛の時代にベイズ統計に興味を持たれて、JIS(日本工業標準)にもその考えを入れたそうです。

 このように過去の偉大な方々はさらにそれより先行している人の知見をよく学んでいます。

おじさん(ネットの価値の少なかった)世代ととネットネイティブ(Win95世代以降)の考え方の違い

 そういう状況の中で、最近はちょっと変わってきたな?と思うような経験がありました。その一つは自分のアイデアに関する評価です。おじさん世代だと、これはいいというアイデアがでると、「俺すげー」となります。(風太郎もそうです)しかし、若い世代(特に20代半ばまで、Windwos95発表と近い生まれの方)は、「他に誰か似たようなこと考えている」という前提で話を進めてきます。一人や二人ではなくて、数人の方がそういう話の仕方をしていました。あまりにも気になったので、「なんでそういう風に考えられる?普通人間って自分すげーってなるもんでしょ?」と聞いたところ「思いついたことを検索したらネットに出ている」という風に返事されました。
 たしかにそういうことは心当たりあります。また、ある試験を受けたとところ「ググるのも実力のうち」ということでネット受験の時間中にググるの前提で問題設定されていました。それに対して不快感を示す方もいましたが、風太郎は「ググるのも実力のうち」という言葉は納得できるし、自宅で受験した場合にPCやネットの差が成績に影響するのもわかります。
 このように先人の知見というのが簡単に手に入るようになっている今の状態は、意識そのものも変わっているのでしょう。かつては蔵書の量が重要でした。調べたいことがすぐ手元にあるのが大事だったのです。
 しかし、現在では有償、無償問わなければ、古い情報から最新の情報まで多くの情報をすぐネットから手に入れることができます。情報の質もいろいろ変わってきました。かつては情報は主に書籍や報道によるもののみでした。そしてその情報発信をするためのハードルは高いものでした。現在は打って変わってだれでも情報発信は可能です。実際にこの風太郎のブログなんかもその一つです。
 そこには編集者によるフィルタがなく、誤字や表現に難があったりします。また、検証されていない情報や個人の意見と一般論をごっちゃにしています。そういった大量の情報を取捨選択することにより巨人の肩に乗ることと同等のことができるでしょう。
 そう巨人ではなく、組体操の上に乗っているともいえるでしょう。

ネット時代の巨人の肩に乗り方

 先ほど有償無償を問わず情報を得ることができると述べました。情報の質が高いのが各学会の論文でしょう。これも、ネット場で検索してカード支払いで購入することができます。その次が書籍でしょうか?これも今は多くの電子書籍があります。本の書籍でも入手までに一週間もかかることは稀でしょう。機会があれば書いてみますが、以前の書籍の注文してからの納期は酷いものでした。書籍について色々意見はありますが、編集によるチェックを受けています。また、多くの人の洗礼を受けているのがWikipediaです。QiitaやTeratailは個人のみが情報を発信しています。もちろん、査読受けている論文に間違いや、嘘があることもあります。Wikipediaでも間違った記述もあります。
 それでも、すぐに検索できる、広く検索できる、情報をすぐ手に入られるという環境においては、以前のように必死に本を読んで記憶したり、蔵書をすぐに調べられるようにしなくても、巨人の肩に乗ることができるでしょう。いや、組体操のピラミッドのトップでしょうか?
 ネットから良い情報を入手して、自分の考えを加えることによりよりよい結果を出せるものと考えます。

 数値の裏に潜む事実を見つけろ!「書籍:コンテキスト 思考 ─ ─ 論理を超える問題 解決の技術 」

表面的な「コンテンツ」でなくその裏側の「コンテキスト」を見つけろ  

 問題解決では問題から問題点を考えることが大事と言い続けています。
 この本も問題の裏に潜む問題点へのアプローチに参考になる本です。この本では数字で表すことのできるコンテンツと、コンテンツの裏側にある「コンテキスト」を対比させています。この対比が問題解決を行うための良い勉強になります。

コンテキストって何?それは結果に影響するなにかです。

 ここであまり馴染みのない「コンテキスト」という言葉について少し説明します。風太郎自身も「コンテキスト」という言葉には馴染んでいません。しかし、問題解決ではよく使われる考え方なのですぐに理解ができました。風太郎の理解した内容を説明します。

コンテキストを考えるための事例

 説明の方法として事例を考えて見ました。風太郎の専門外の事で事例を作って見ました。「え?専門外なの?レベル低いじゃん」と言われそうですね。これには理由があります。 futaro.hatenadiary.jp に書いた様によく知っていることは説明しにくいからです。

コンテキスト理解のための事例

<役割>

  • あるレストランチェーンの本部の経営方法を考えている。
  • 利益率は悪くないが、1店舗あたりの売り上げが競合他社と比べてよくない。
  • 1店舗あたりの売り上げを増やすことが与えられた使命である。

<やりかた>

  • 一人一人が売り上げをよくするために努力しようと呼びかける。(体育会系問題解決?これでなんとかなる様な問題ならば、今まで無視してきた上位陣が無能)
  • 競合他社との比較を行う。値段や量、店の雰囲気etcその上で、自社の店舗の対応を考える-値下げ/値上げ、量を増やす/減らすetc- (コンテンツ)
  • 事実(例えば上記の比較)を元に、裏側に潜む原因を探して行く(コンテキスト)

 という感じになります。一つ目はやりすぎるとブラック企業になります。
 二つ目は悪くはないのでしょう。独自性とかなく、売り上げも競合他社の平均並みを目指すなら、それでもうまく行かないことが考えられます。だいたいどこの会社も同じ様なことをやり始めますから。
 三つ目が大事になってきます。ここで感覚的に判断したら最初の例とあまり変わらない結果が出てくるでしょう。

コンテキストは問題の真因に迫る

 問題解決では「真因」ということが使われます。この真因を見つけるかどうかがポイントとなります。真因に対して対策を打つことが重要です。

 コンテキストを考えるということはこの真因を考えることと同義なのです。

 レストランチェーンの場合もいろいろ考えることになるでしょう。そして、その解は無数にあるでしょう。コンテキストを考えることにより、より深いレベルで対策を打つことができます。ほとんどの場合はその真因に対して手を打つことの方が投入するエネルギーも小さく、良い結果を得ることができます。

この本の良さはコンテキストの求め方にある

 この本ではコンテキストを求めるための道具を紹介しています。
 例えば3つのコンテンツ思考について述べています。  Surroundings( 環境)/ Soil( 土壌)/ Sun(太陽) です。  そのほか、知識じゃなくて教養を高めろ、目的を明確にしろなどいろいろな思考の道具類を紹介しています。また、教養がそのために必要だとも述べています。  さらには各章毎にまとめもあるので、一度読み終わって、後から読む直す時などに使えます。これも「良書」と言えるでしょう。

コンテキスト思考―論理を超える問題解決の技術

コンテキスト思考―論理を超える問題解決の技術

独り言!?自分自身への問いかけが問題解決の第一歩 「書籍:問題解決 自分のやっていることの9割を疑え」

 今日も自分にいろいろ問いかけています。独り言でぶつぶつと。いや、それはあやしいおじさんだろ!それじゃない!この本は真面目に問題解決について書いている本です。あやしいおじさんの事ではありません。
 この本ではイシューという問いかけが大事だと言っています。問題解決を行っている風太郎としてこれは有効な考え方の一つだと断言します。

この本でイシューの定義とは

イシュー とは 日本語 で 言う 課題 の こと で、 答え を 出せる 問い の こと です が、 ただ の 問い とは 違う 点 が あり ます。

そして、どの様に「ただの問いと違う」のか?

この よう に、 yes, no で 答え られる 問い の こと を イシュー( 課題) だ と 考え て ください。

 と記述しています。  

 このイシューまで落とし込んで行くことが、問題解決に大変役立ちます。
 それはなぜか?それは問題解決で大事なのはどこに問題点があるか?とそこを明確にする事です。このブログでも今までも言及していました。これからも言及していきます。そして、今まで読んだ問題解決の本で覚えている限り、最近読み漁ってる問題解決の本すべてでこれが書いてあります。

問題解決には多くの書籍の読込みと経験が必要な訳

 問題点を見つけることが大事だというと、「簡単だね、問題解決なんて、問題を起こしている問題点を見つけだしたらいいんでしょ」と思う人もいるかもしれません。問題点を見つけ出したら簡単という訳じゃありません。問題点を見つけ出すのが一番難しいからここが重要だと繰り返していうのです。
 一番難しいのはその問題と問題点の違い(これは本によっていろいろ表現が異なります)を自分で納得することです。風太郎は統計的品質管理の世界も足を突っ込んでいます。そこで教えていただいた先生から「君たちの言っていることは願望だ」「願望を直接解決しようとしてはいけない、機能を改善しないといけない」と何回も指導を受けました。それが、問題解決の問題(願望)と問題点(機能)ということに気がつくまでに十年ほどかかりました。
 そんなに時間がかかったのは「お前が無能だろう?」と言われるかもしれません。そう言われたら、その通りと答えるでしょう。実際に一気に理解している人もいます。しかし、これができない人も数多く存在しています。すぐに、習得できる人の方が少ないと考えます。おそらく普通の人はそう簡単に習得できないでしょう。多くの人は時間をかけて習得しています。
 できるだけ早くそれを理解する方法としていかに上手にイシューとして捉えるか?そういう考えは有効でしょう。 イシューを作ることは難しく、なんでもイシューにできるわけではないと考えます。そういう難しさを超えて問題解決して行くことが良い訓練になると思います。
 欲を言えばこの本はクリティカルシンキング中心の本です。そのため、イシューに関する解説は半分弱になっています。しかし、それでも十分価値のある本です。
 また、この書籍はKindleのみで出版されている様です。そのため、文章量の多くありません。読書慣れしてなくても読みやすくなっています。
 そういう読みやすい本だから読んで見て欲しいです。また2018年9月自伝ではKindleUnlimitedで読むことができます。

問題解決: 自分のやっている9割のことを疑え!

名言!アイスクリーム味のチャーハンー予定どおり進まないプロジェクトの進め方

アイスクリーム味のチャーハンを注文したことはないでしょう、でも似たようなことはやっている。 これはこういうことが書いてある本です。
Kindle Unlimited
 進まないプロジェクトの進め方という表題です。これは問題解決と密接な繋がりがあります。そのため、問題解決のカテゴリーをつけました。 なぜかというと問題解決の中の「未然防止(悪いことが起きる前に食い止める)」に繋がるからです。(ここでそれは問題解決じゃないんじゃないか!という意見もあります。今回は未然防止は問題解決に含めます)
 ある程度仕事に慣れてくると非ルーティンワークを任されることになります。毎年や毎回同じようなことしていても、実はことなることが発生するようなのを「非ルーティンワーク」とここでは呼びましょう。
 よくTVのCMで建設会社のCMがあります。一度ぐらいはみたことありませんか?次見たときは関心を持って見てください。若手でも指示しているようなシーンがあります。「ビルを建てる」っていうのはいつもやっていることです。しかし、ビルそのものは毎回違って、その度ごとに異なることが出てきます。このようなものが非ルーティンワークと言えます。  非ルーティンワークというとあまり使われない言葉なので、ここではこの本に合わせて「プロジェクト」と呼びましょう。

専門家を使うときの困難さ

 プロジェクトでは専門家を使う必要があります。よく仕事を教えるときに「自分でやったほうが早い」という言葉を聞きますが、このときはそんなことはありません。的確に指示を出す必要があります。ここで「アイスクリーム味のチャーハンを作れ」と似たようなことが発生します。
 ここで要望と要求という言葉が出てきます。問題解決の問題と問題点のようなものです。なかなか、この要望と要求をうまく使い分けるのは難しいです。これは訓練を繰り返す必要があります。これがすぐできるようになったら問題解決がすぐできるっていうのとほとんど同義です。
 要望をうまく要求に落とし込めないと、とんでも無いこと言い始めたりします。 ここで書籍の引用をしてみましょう。

「チャーハン ください。 味 は…… えーと、 アイスクリーム 味 で。 ちなみに うち の 子 は 卵 アレルギー なので、 代替 食 で。 味 には こだわり ます。 最近 流行 の エビ 風味 あん かけ チャーハン、 あんな 感じ が いい か なぁ。 何 か お薦め あり ます?   あ、 あと、 安く し てね!   盛り 付け は 綺麗 なのが 当然。 プロ な ん だ から、 そこ は 気 を 利か せ て いい 感じ に し て くれ たら オーケー です(^-^)」

 絶対おかしいと思います。しかし、専門家相手にしているとこれぐらいの知識の差があるのが当たり前です。そして、恐ろしいことにそういうことを私的してくれません。これは「発注者」と「受注者」の時が顕著です。言外になんとか指摘してくれることこともあります。そういう時でもこちらの方にそれなりの知識と、”なにかとんでも無いこといってるかもしれない”という構えがないと知覚することができません。
 反面同じ社内での場合は指摘も期待できます。そういうので鍛えることができればいいですね。

風太郎の経験でこういう人がいました。
その彼は当時20歳です。Just20歳でした。今度”成人式”という人です。年齢的には風太郎よりかなり下でしたね。 彼は業務上専門家に指示することが多い仕事でした。ちょうど先ほど述べた、CMの検査越会社の人をイメージしてください。社内なので、指示に対して”出来ないことは出来ない”と明確に言われることが多いです。そこで彼は相手の話をうまく聞き出して、こちらの要望をうまく要求に落とし込んでいました。当時風太郎は、その部署に移動したばかりで「すげー、二十歳の子がここまでできるんだ!とんでもない部署にきたぞ」と真っ青になった記憶があります。

問題解決では整理の方法も大事

 こういう風に的確にプロジェクトを進めるためには経験も大事です。その時に道具を使うと学習速度があがります。風太郎の昔の上司がこう言いました「経験というものはそこに長く居たことじゃない、どれだけ学んだかということだ」。全くその通りだと思います。  こういう風に未然防止のために経験から学ぶ(PDCAもその一種です)ことは非常に大事です。それを効率的に進める道具類は多くあります。また、それらの道具類は本来は未然防止のための道具なので、問題の発生自体も減少します。
 いろいろな道具が提案されています。自分の状況と能力にあった道具を使うことだと思います。また、初心者ではいくつか試してみるのもいいかと思います。 この本では、

プロジェクト の 失敗 要因 として、「 未知 変数」 や「 想定外」 への 対応 が 重要 で ある という こと を 述べ て き まし た。 ここ からは そうした 状況・事態 に 対応 する ため の 手法 について、 筆者 ら が 考案 し た「 プロジェクト 譜( 以下、 プ 譜)」 について 紹介 し ます。

とあります。続いて

  プ 譜 とは、 プロジェクト の ため の「 エディティング( 編集 的) ツール」 で あり、 その 目的 は 大きく 二つ あり ます。 一つ は、 プロジェクト における 状況 の 変化 や 関係 性 を 可視化 する こと で、 プロジェクト の「 問題」 を 理解、 解決 し やすく する こと。 もう 一つ は、 プロジェクト マネージャ として の 力量 を 上げる ため の 仮想 演習 を 行う こと です。 これら によって、 プロジェクト の 失敗 を 回避 し、 進め やすく する こと が 最終 的 な 目的 です。

 と未然防止のツールとして紹介しています。

 ただ、風太郎としてはこれらは学習を急速に進めるための道具として使えること勧めたいところです。 このようにプロジェクトの進め方として上手な例えといくつかの道具の紹介、使い方を説明している本です。Unlimitedで読むことができるのでかなりお買い得です。元々が千円台の本なので一冊購入してもいいかと思えるレベルです。

予定通り進まないプロジェクトの進め方

予定通り進まないプロジェクトの進め方

成功法則は決して残酷じゃないーー残酷すぎる成功法則

お店でありがとうというのは自分のために言うんです。それに気づいた一冊です。
 生きることに成功したくない人(または幸せになりたくない人と表現してもいいでしょう)はほとんどいません。この本は成功した事例を元にそれを実現する方法を語った本です。これ一冊でマニュアルにはなりませんが、参考になって、人生の中で読んでよかったなと感じさせる本です。

エビデンスと量にビビらなくてもいい

 エビデンスと量が多いから読むのが大変というカスタマーレビューがありました
 この本は成功するにはどうしていくか?事例を取り上げながら説明しています。確かに、なかなか内容の濃さやボリュームもあり読み終わるのに時間がかかり、いつも読んでいる本の数倍の時間がかかりました。
 時間がかかった理由はいくつもあります。特に時間がかかると感じたのは先ほど述べた様に事例です。事例というのは有名な人や、研究成果(書籍)について述べています。こういうところは読み飛ばしするのが難しくてしっかり読み込むことにより時間がかかります。
 この事例が”エビデンス”と書いてあるところです。有名人や書籍なので後から検証できます。その検証できるのが”エビデンス(証拠)”になります。エビデンスとして必要な人名、経歴などが書かれており、読むことに時間がかかりました。
 あと、量的にもボリュームあります。ページの分量は紙の本だと約400ページです。以前おはなした「どんな人にもピン!とくる教え方のコツ」が約100ページだからざっと4倍でしょう。
 このエビデンスとボリューム。先ほど述べたように、読むのが大変とかAmazonのカスタマーレビューにあります。しかし、このエビデンスと量については海外の学者の本だとちょっと多いかなぁ程度でしょう。今回は「ブロガー」であることと、出版社(訳者も)この手の本に慣れてないことから、こういう言い方になったのでしょう。前述のように書籍紹介のこの点はあまり恐れなくても大丈夫です。逆にこの手の本を読んだことのない人には適当な練習本になるでしょう。

作者がブロガーだから読みやすい

 どうして練習本になるか?これは作者がブロガーであることと関係しています。先ほど述べた学者の本の例として今まで風太郎が読んだ本の中で「ワイドレンズ」「ブルーオーシャン戦略」と比較して感じたのは次のことです。感じてるのは、書籍の内容が各部分で完結しているということです。
 そのため、キリのいいところまで読んで、ちょっと体力尽きかけてきたら他の本を読めばいいのです。実際風太郎も今月のセールの中で最初に読み始めた本にも関わらず、読み終わったのはこのブログの順番の通りでした。
 まぁ、オムニバス形式の本でも読んでいると思えばいいのでしょうか?
 そのように色々な内容があり、紹介するのは大変ですが、気に入ったところを2点ほど紹介します。

よきGiverであれ

 Giver(与える人)は成功すると書いてある。(別の本”GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)”からの引用)
また、感謝することは本人の幸せに繋がる。とも書いてあった。それは確かにそうだろうなぁと思う。
風太郎は「店員にありがとう」を言うタイプである。時折ネット記事を見ると「なんで店員にお礼なんか言うんだ?」というのがある。それはそれで理屈は通っています。ただ、「幸せそう」には見えません。なんだ、店員にお礼をいうのは自分の幸せの為にやっているんだなぁとわかりました。
 あと家事に対してお礼をいうのもそうですね。
「美味しいと言うのは義務」という主張に条件反射のように「義務なわけない」と反論する人を見て思ったこと。 - 主夫の日々
このブログでも家事に対するお礼の話しが出ていました。風太郎の場合は「美味しい」は評価なので、冷静に言いますが、お礼は言うようにしています。”言うようにしている”と言った時点でまだまだ不足なんでしょうけど。
 この本を読んで「お店でありがとうというのは自分のため」ということがわかりました。

裏切られたらどうしたらいい?

 以前ゲーム理論の本を紹介しました。
人生はゲームですよ - OFFICE風太郎
このゲーム理論には時間の概念がさほど入っていません。時間で重要なのは前の結果が今回の判断や結果に影響すると言うことです。それを勘案したシミュレーションの結果、基本Giverですが、裏切られたら

寛容なしっぺ返し戦略

 をとるべきと述べています。
その方がトータルで特典が高いということでした。
 また面白いのはそのような選択は「ほぼ全てのゲームで負けている」そうです。それでも結果としてトータルのスコアが高くなるそうです。「いい人」は得をするんですね、「いい人」すぎるとだめですが。

 このようにいろいろな成功法則が書いてあります。決して残酷ではありません。いくつか”自分には無理”と思うようなことがあっても、多くの事例が書いてあるので、どれか自分に相応しいものを選べばいいんです。
 
 とにかくかなり参考になる本なのでぜひ一読を!

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する


 

俺の若いときはxxだったは禁句!ー問題解決の視点からー

 ついつい言いたくなる「俺の若い時は・・・」禁句ですよね。今朝も上司とやり合いました。風太郎が「若い世代にこういう仕事はやらせたくない」というと上司は「いや俺の若いときは・・」となりました。正確にいうと、それに対してやり合ったというより、やんわりとさせないと断言しました。なぜ噛みつかなかったかというと、風太郎もよく「俺の若いときは・・」といってしまうからです。

 問題解決やっていると一番大事なのは現状を冷静に分析する事です。状況を分析せずに「俺の若いときは」と言って指示しても絶対に上手く行きません。その最たる事例が「俺の若いときは・・・だから××しろ」です。この言い方はコミュニケーション上でも大変悪い言い方ですが、それはまた別にお話しします。

これはまずいとおもったおじさんの事例

 以前読んだある社長のブログに次の様なことが書かれていました。

  1. 自分はいま社長をやっている(自分の若い頃の話が出てくるから、独立企業家か?)
  2. 優秀だと思っている部下に仕事を任せている。
  3. その任せられた人は過去は退職、病気による休職者が多く、今はその部下ともう一人だけしかいない
  4. 忙しくて対応できないという部下が相談する
  5. 業務を効率化してやってくれ!「私はずっとそうしていた」
  6. しかしその部下は退職した。目をかけていたのに残念だ

   以上です。
さて、ここで問題解決の視点からダメ出ししたいところがいくかあります。

問題解決の視点から

 まず第1に問題を問題と認識していないところです。
 ほぼ全員が退職や休職していることを問題と捉えないのでしょうか?従業員、しかも、「優秀で仕事を任せられる」従業員が全員やめていくのは会社としての損失です。これを問題として捉えずに部下の能力のせいだというのはダメでしょう。それが部下の能力のせいならば自社の採用能力か指導に問題があります。そこを問題として捉えられない「社長の存在が問題」です。損失が起こっている以上は問題と捉えて分析すべきです。

第2としては、自分が若い時できたからというところです
 それほ問題として捉えてなければあとはできないのも当然ですが、「私はずっとそうしていた」というところが大変まずいです。
 
昔と今が同じ仕事だと思っていることがダメです。そういう会社トップの元では会社の存在すら危なくなります

 仮に今と変わらなかったとしても、それは社長になる人材だからできたのかもしれません。「俺ができたから、お前もできる」わけないです。できるからあなたは社長なんでしょ!と突っ込みたくなる。

問題解決の視点から部下の退職、休職を考える

 これを「本人の責任」というのは管理者としての業務を果たしていないでしょう。会社として戦力がダウンしことになるのですから。ここを「問題」と捉えてください。
 ただ、直接の問題と捉えるのではなく、「プロジェクトが遅れる」「品質が下がる」「コストがアップする」などの原因として問題ととらえてもOKです。
 多くの会社では従業員のメンタル問題は対応されています。これは大幅な戦力のダウンになるためです。同様に怪我、病気等身体的な問題にも気をつけましょう。こちらも戦力ダウンとなるのは同様です。

大事なのは事実を冷静に掌握すること

 今回はここに一番まずいところがあります。まぁ、「問題を明確にしていない」時点で非常にまずいところがありますが、せめて調査をしろとか、相手の話しをよく聞かないとと思います。
 従業員が辞めていくことをおかしいと思わないといけません。
 ここで、おかしいと思わなかったとしても、上記のように具体的になんらかの経営へのダメージを問題と知覚しないといけないです。

まとめると「俺の若い時はXXXだから、〇〇だ」というのは「何も見ていない(考えていない)」ということです。それは問題解決の視点を含め、色々な面から「ばーか」と言われる様な行為です。

何かやる前に何かをやめようーーマンガでわかる「やめる」習慣

Kindle月替りセール2018年9月
この本は

やめる

っていう単語に惹かれて購入しました。元々の本(マンガでないもの)はそれなりに売れている本らしいですが存じ上げませんでした。
いろいろな本が「やること」に注力しています。しかし、なんでもかんでもやれるわけなくて、何かをやめることが大事です。
 仕事でもそうですね、風太郎は新しい(それなりに時間のかかる)仕事がくると上司に必ずこう言います。
 「わかりました、それでは今までの仕事で何をやめましょうか?」と(嫌な部下です)
 とは言え、これでやめたことは一つもないです。それほどなにかをやめることは大変です。

 仕事以上に習慣はなかなかやめられません。それでも、何かをやめたいと考えている人に対しておすすめです。
 習慣と言えば、風太郎自身も数年間ネットゲームに凝っていました。課金は月に多くても3000円、だいたい1000円だから大したことなかったのです。それでも、数年だから数万円となります。その金額より重大なのは、相当な時間をつぎ込んでいました。1日に2時間程度です。さらにイベントだと終日付きっ切りです。
 さらに時間をかけそうな雰囲気でした。そして、ふと気が付いたのです。

  • 最近どれだけ本読んんだかな?
  • 最近どれだけ学んだかな?

 本を読むこと/学ぶこと この二つが今までの人生の中で貴重な資源でした。それをやめていたら自分の将来が「ヤベーこと」になります。「大変まずいこと」になるよーということです。
 そこで、それをやめるためにいくつかのことを行いました。一生懸命考えたその方法と、同じ内容がこの本には書いてあるのです。もっと早く読んでいたら良かったと思います。

この本に書いてあること

何人かの登場人物が出てきます。それぞれやめたいことは

  • 間食
  • 夜更かし
  • 仕事の先送り 

 などです。
この本にいくつかのポイントが書いてあります。その中で、特にここで紹介したいのは

 です。
 なぜこの二つが重要かということを考えて見ます。

 まず、「やめる理由」です。
実は「やること」より「やめること」の方が大変難しいです。これが簡単なら世の中に中毒者などいません。
書籍では「骨太の理由」と書いてありました。やめるための自分が十分納得できる理由が必要です。
結構これが大変なんですよね。どうやって見つけるか?かなり悩みます。
風太郎の場合は「自分の描いたキャリヤイメージが達成できない」というのが理由でした。
どう考えても一週間に20時間近い時間をゲームをやめること以外に捻出できませんでした。
「やめる」ことに限らず、理由や目的をしっかり納得することは大事です。そして、それを力強く行なっていくためには「自分が納得できる」ことが大変重要になります。
 上記の理由も他の人には大したことないでしょう。それでもいいんです!自分にとっては大変大事な理由であることなんです。

次にボトルネックとセンターピンです。これも問題解決でもよく大事なことと言われていることです。
この書籍のボトルネックはちょっと意味が違って「最大の障害」という感じで書かれていました。
センターピンは「ここをよくしたら全体がよくなるところ」です。
 かなりその二つを明確にするのは大変です。それでも考えて見つけることが大事です。そういう時には問題解決ストーリが役にたつかもしれませんね。

 とにかく「やめる」っていうのは大変なことです。それをある程度パターン化してくれているのがこの本のいいとこでしょう。買ったから何かの習慣を簡単に止められる訳ではありません。
その点はよく留意しましょう。それでも参考書として手元に一冊あって良い本です。