OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

ネット世代は有能になれる?ー「言葉:巨人の肩に乗って」

広大なインターネットがあれば巨人の肩に乗る(by standing on the sholders of Giants)ことが易しい

 巨人の肩に乗るということばがあります。これは先人に学べということです。 wkipediaでは次のように説明されています。 巨人の肩の上 - Wikipedia 詳しくは後で説明するとして、大事なことは「しっかり学ぶと自分が楽できる」ということです。そして、これはインターネット世代こそ有利なことだと考えています。特にインターネットネイティブな世代は有利なんじゃないでしょうか? 今日はこの話を進めていきます。
 風太郎は問題解決で生活しています。この問題解決っていうのを長年やっていると「いつかどこかで似たような話を聞いたな」ということが多いです。以前なら相当本を読んで、経験も積まないとなかなかレベルアップはむずかしかったのです。また、風太郎は、色々なコンサルタント(研究者の副業としてのコンサルタント含めて)の方と話することも多くあります。技術的なものも含めて、問題解決のコンサルタントの方は多くの経験を積んでいるようです。そのため、優秀なコンサルタントはある程度の年齢の方や、かなり早く出世されたような人が多いようです。
 そういう方々と話をすると自分とのレベル差を感じることも多々あります。そして、彼らには共通点がある様です。

巨人の肩に乗るということ

 そういった、優秀なコンサルタントの方全員に”先生”とか”博士”とか呼ぶ彼らを指導した先生(ややこしいので大先生と呼びます)がいます。さらにその大先生方を指導した人もいるようです。  大先生の大本となる様な人、そういう人がゼロから理論を構築したか?というとそういう訳ではないようです。ここで例としてて、何人か調べてみます。調査のしやすさからどうしても日本人に関係する人になってしまうのはご容赦ください。

TOC(制約理論)ゴールドラット 博士

 TOC(制約理論)で有名なゴールドラット 博士は日本の大野耐一氏(トヨタ生産方式の産みの親と呼ばれている方)から影響を受けました。個人の費用で、当時日本語でしか出版されていなかった”トヨタ生産方式”の翻訳をされたそうです。また、大野耐一氏も幾人かから影響を受けたようです。もともと大野耐一氏は紡織関係の会社からトヨタ自動車工業に転籍しています。その関係から影響を受けているようです。

品質工学(タグチメソッド)田口玄一博士

 品質工学・タグチメソッドで有名な田口玄一博士も当時の高名な統計学者である増山博士を師と仰ぎ、増山博士の前ではおとなしいものだったとお弟子さんが語っています。また、田口博士の論説を読むと、フィッシャーや色々な論文を読みこなしています。田口先生は戦前生まれ(従軍経験もあり)という英語の勉強のしにくい世代に関わらず、どうやって英語を学び、論文を入手したか不思議に思います。また、頻度主義全盛の時代にベイズ統計に興味を持たれて、JIS(日本工業標準)にもその考えを入れたそうです。

 このように過去の偉大な方々はさらにそれより先行している人の知見をよく学んでいます。

おじさん(ネットの価値の少なかった)世代ととネットネイティブ(Win95世代以降)の考え方の違い

 そういう状況の中で、最近はちょっと変わってきたな?と思うような経験がありました。その一つは自分のアイデアに関する評価です。おじさん世代だと、これはいいというアイデアがでると、「俺すげー」となります。(風太郎もそうです)しかし、若い世代(特に20代半ばまで、Windwos95発表と近い生まれの方)は、「他に誰か似たようなこと考えている」という前提で話を進めてきます。一人や二人ではなくて、数人の方がそういう話の仕方をしていました。あまりにも気になったので、「なんでそういう風に考えられる?普通人間って自分すげーってなるもんでしょ?」と聞いたところ「思いついたことを検索したらネットに出ている」という風に返事されました。
 たしかにそういうことは心当たりあります。また、ある試験を受けたとところ「ググるのも実力のうち」ということでネット受験の時間中にググるの前提で問題設定されていました。それに対して不快感を示す方もいましたが、風太郎は「ググるのも実力のうち」という言葉は納得できるし、自宅で受験した場合にPCやネットの差が成績に影響するのもわかります。
 このように先人の知見というのが簡単に手に入るようになっている今の状態は、意識そのものも変わっているのでしょう。かつては蔵書の量が重要でした。調べたいことがすぐ手元にあるのが大事だったのです。
 しかし、現在では有償、無償問わなければ、古い情報から最新の情報まで多くの情報をすぐネットから手に入れることができます。情報の質もいろいろ変わってきました。かつては情報は主に書籍や報道によるもののみでした。そしてその情報発信をするためのハードルは高いものでした。現在は打って変わってだれでも情報発信は可能です。実際にこの風太郎のブログなんかもその一つです。
 そこには編集者によるフィルタがなく、誤字や表現に難があったりします。また、検証されていない情報や個人の意見と一般論をごっちゃにしています。そういった大量の情報を取捨選択することにより巨人の肩に乗ることと同等のことができるでしょう。
 そう巨人ではなく、組体操の上に乗っているともいえるでしょう。

ネット時代の巨人の肩に乗り方

 先ほど有償無償を問わず情報を得ることができると述べました。情報の質が高いのが各学会の論文でしょう。これも、ネット場で検索してカード支払いで購入することができます。その次が書籍でしょうか?これも今は多くの電子書籍があります。本の書籍でも入手までに一週間もかかることは稀でしょう。機会があれば書いてみますが、以前の書籍の注文してからの納期は酷いものでした。書籍について色々意見はありますが、編集によるチェックを受けています。また、多くの人の洗礼を受けているのがWikipediaです。QiitaやTeratailは個人のみが情報を発信しています。もちろん、査読受けている論文に間違いや、嘘があることもあります。Wikipediaでも間違った記述もあります。
 それでも、すぐに検索できる、広く検索できる、情報をすぐ手に入られるという環境においては、以前のように必死に本を読んで記憶したり、蔵書をすぐに調べられるようにしなくても、巨人の肩に乗ることができるでしょう。いや、組体操のピラミッドのトップでしょうか?
 ネットから良い情報を入手して、自分の考えを加えることによりよりよい結果を出せるものと考えます。