OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

 数値の裏に潜む事実を見つけろ!「書籍:コンテキスト 思考 ─ ─ 論理を超える問題 解決の技術 」

表面的な「コンテンツ」でなくその裏側の「コンテキスト」を見つけろ  

 問題解決では問題から問題点を考えることが大事と言い続けています。
 この本も問題の裏に潜む問題点へのアプローチに参考になる本です。この本では数字で表すことのできるコンテンツと、コンテンツの裏側にある「コンテキスト」を対比させています。この対比が問題解決を行うための良い勉強になります。

コンテキストって何?それは結果に影響するなにかです。

 ここであまり馴染みのない「コンテキスト」という言葉について少し説明します。風太郎自身も「コンテキスト」という言葉には馴染んでいません。しかし、問題解決ではよく使われる考え方なのですぐに理解ができました。風太郎の理解した内容を説明します。

コンテキストを考えるための事例

 説明の方法として事例を考えて見ました。風太郎の専門外の事で事例を作って見ました。「え?専門外なの?レベル低いじゃん」と言われそうですね。これには理由があります。 futaro.hatenadiary.jp に書いた様によく知っていることは説明しにくいからです。

コンテキスト理解のための事例

<役割>

  • あるレストランチェーンの本部の経営方法を考えている。
  • 利益率は悪くないが、1店舗あたりの売り上げが競合他社と比べてよくない。
  • 1店舗あたりの売り上げを増やすことが与えられた使命である。

<やりかた>

  • 一人一人が売り上げをよくするために努力しようと呼びかける。(体育会系問題解決?これでなんとかなる様な問題ならば、今まで無視してきた上位陣が無能)
  • 競合他社との比較を行う。値段や量、店の雰囲気etcその上で、自社の店舗の対応を考える-値下げ/値上げ、量を増やす/減らすetc- (コンテンツ)
  • 事実(例えば上記の比較)を元に、裏側に潜む原因を探して行く(コンテキスト)

 という感じになります。一つ目はやりすぎるとブラック企業になります。
 二つ目は悪くはないのでしょう。独自性とかなく、売り上げも競合他社の平均並みを目指すなら、それでもうまく行かないことが考えられます。だいたいどこの会社も同じ様なことをやり始めますから。
 三つ目が大事になってきます。ここで感覚的に判断したら最初の例とあまり変わらない結果が出てくるでしょう。

コンテキストは問題の真因に迫る

 問題解決では「真因」ということが使われます。この真因を見つけるかどうかがポイントとなります。真因に対して対策を打つことが重要です。

 コンテキストを考えるということはこの真因を考えることと同義なのです。

 レストランチェーンの場合もいろいろ考えることになるでしょう。そして、その解は無数にあるでしょう。コンテキストを考えることにより、より深いレベルで対策を打つことができます。ほとんどの場合はその真因に対して手を打つことの方が投入するエネルギーも小さく、良い結果を得ることができます。

この本の良さはコンテキストの求め方にある

 この本ではコンテキストを求めるための道具を紹介しています。
 例えば3つのコンテンツ思考について述べています。  Surroundings( 環境)/ Soil( 土壌)/ Sun(太陽) です。  そのほか、知識じゃなくて教養を高めろ、目的を明確にしろなどいろいろな思考の道具類を紹介しています。また、教養がそのために必要だとも述べています。  さらには各章毎にまとめもあるので、一度読み終わって、後から読む直す時などに使えます。これも「良書」と言えるでしょう。

コンテキスト思考―論理を超える問題解決の技術

コンテキスト思考―論理を超える問題解決の技術