OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

改善が進む組織へ変える方法

改善マインドなんて1000000回言ってもつくもんじゃない

 改善を仕事にしている風太郎です。うちの会社は改善マインドがなくて、どうしたらいいですか?と他社の方に聞かれたりします。  ところが話してみると、やっていることは「改善の成果をあげる」という目的に対しての活動が多くなっています。問題解決の視点からいうと、「改善の成果をあげる」と「改善マインド」と言うものはいうのは異なります。 改善の効果とは定量的なものでわかりやすいものです。反面、改善マインドというのは「改善をしたい」という気持ちです。その違いを明確にすることからはじまります。

改善は本能ではない、癖付けだ

 多くの会社は、改善提案はその効果で判断する。と言っています。 これは業務として改善の良し悪しを判断するということは正しいです。しかし、改善は成功ばかりとは限りません。また、うまい改善を行うためには慣れも必要です。
 いい改善結果が欲しい、そのために従業員には常に改善を考えて欲しい。そう考えている会社が多いのでしょう。
 じゃ、みんな黙っていても改善するのでしょうか?本能である「食べること、寝ること」などは黙っていても行います。しかし、「改善本能」というものがありません。通常は「改善、改善、改善・・・・」と四六時中考えているわけではないのです。しかし、よい改善を行うためには着眼点が大事です。そのためには、いつも改善について考えている必要があります。そうするためには「完全癖」が必要です。あるコンサルタントの方から某社の社員は「改善中毒」だと言われたことがあります。

改善の効果を評価したのでなくてまずは改善に取り組んだことを評価する

 改善というのは発明とか、イノベーションとかいうものに近いです。ある人がある日突然、いいアイデアを思いつくということがあります。 しかし、それを組織として行い続けることは非常に大変です。その理由は100%成功するなんでだれも保証していないからです。  改善を進めるためにはチャレンジした回数(改善に取り組んだ回数)X成功率を上げていく必要があります。
 また、
 改善にかかる費用+改善失敗によるロスコスト<会社が許容できる費用  である必要があります。
 そして、このようなことを意識しながら、まずは改善回数、もう少し正確にいうと改善にチャレンジした回数を評価して向上していくことが大事です。
これを外国人に話ししたら結構衝撃的な内容だったようです。あるコンサルタントは即日ブログに書いていました。 「赤ちゃんが立とうとした時に親はどうしますか?立てなかったと非難しますか?ちゃんと歩けといいますか?そんなことないですよね・・・」
と確かこういう内容だったと覚えています。実は赤ちゃんの例えは風太郎が話したそのものの例えでした。

どうやって評価するか?

 本来改善というのは日々の仕事の中で行なっていくものです。そのため、本来は日々の業務を見ていくべきですが、実際にそういうことはいろいろな制約からできません。また、そんな詳細に観察されても気持ちが悪いと思いませんか?
 そのため、多くの会社では改善提案というものが出されています。基本はこの件数を評価すればいいと考えます。ただ、評価する方としても、相手のレベルに合わせていく必要があると思います。新人が初めての改善提案を出した時は、内容はともかくとして褒めてあげることが必要です。一方ベテランが、新人レベルのものをたくさん出していたら質を上げろと指導すべきでしょう。成功率や効果を上げるためにはその質が大事になってきます。
 まずはなんでもいいから数を出す。そして、それを習慣化していく。その次に質になってきます。

改善マインドと改善成果の違い

 こう言ったことを述べないといけないのは、「改善マインド」という言葉を使ったために、「目標値」と言うものの定義を明確にできなかったためです。「マインド」っていうと心の問題ですが、それを定量化するにはどうしたらいいか?と考えることが大切です。
 例えば、「1件/月以上改善提案する」という目標値とかです。そうすると、明らかに「改善マインド」と「改善の成果」というものは異なることがわかります。
 問題解決が身についてくると自然に客観視もできるようになるので、こう言った間違いは少なくなります。
 もっとも、どんな目標値でも「とにかく数値目標すら満足すればいい」とか「目標値達成にメリットを感じず低調になる」と言うことがあります。
 これについても、いくつか考察があります。別の機会に紹介させていただきます。