OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

40代50代、老害と言われる前に考える「書籍:他人をバカにしたがる男たち」から

自分がゾンビになる不安と同じものを感じる風太

 読者の方はゾンビ映画とか見たことありますか?  見たことなくても少しは聞いたことがある。っていう人も多いと思います。 あの恐怖心はゾンビに襲われると自分もゾンビになってしまうっていうところが怖いです。恐ろしいゾンビが近くにいて襲われてゾンビになってしまう。
 もしこれが空気感染とかだったらどれぐらい恐ろしいでしょうか?
 映画に出てくるようなゾンビは多分存在しません。しかし、”老害”は存在しています。自分がそういう老害と同じになってしまうのか?そういう恐怖を感じます。「自分は違う!」って言い切れるほどの自身もありません。

ゾンビ(老害)にならない傾向と対策

 さて、風太郎は問題解決屋です。ここで問題を発見しました。問題は「自分が老害になること」です。よく勘違いされるのですが、「問題解決は問題が発生してから行うもの」という人がいます。
 そうではなくて「問題解決は問題を認識してから行うもの」です。ここで今、自分の老害化のリスクを問題として捉えました。捉えた以上はまず、何らかの成果に結びつく対策が打てます。

どうして老害になるのか?

 まずは、現状認識です。その視点から老害をよく観察しています。そうすると二つのパターンが見えてきました。

  • 同じ地位や立場に長期間(数年以上いる)
  • 仕事の役割とやり方にギャップがある(無能ではない)

 本来はここは定量的に見ていく必要があります。今回がブログネタのため定性的に定義しました。
 この事実から考えると、同じような状況の風太郎も危ないと考えました

なぜ老害になるか?

 次に、そうなるプロセスを考えます。要因解析という場合もありますが、今回はプロセスという言葉がいいのかと思います。 プロセスの中で書籍から「ここがポイント」と見つけたのは、
問題点:「昇格できない」というところです。
 ここでいい加減な問題解決を行うと
対策:昇進すること
 となります。笑ってしまいますが、こういう感じの問題解決はいっぱいあります。正直それができたら苦労はしないですよね。    書籍をよく読んで、対策の元ネタをさがします。その中でサラリーマンとして考えないといけないのはこの一言だと考えました。
「昇進と能力は無関係」
 サラリーマンだと次のような経験があると思います。

  • なんであんな奴が出世するんだ?
  • なんで俺が出世しない?

ですね。この本にも書いてあることと、自分の感覚では出世すべき条件は下記の通りです。

  • 周りにライバルがいないこと
  • 昇格すべきポジションが空いていること
  • 昇格をアピールできるような業務を行なっていること(偶然だったり、上司の意図だったり)

 いかがでしょうか?心当たりありますか?周りをよく観察してみましょう。そのような傾向があると思います。
 こういう状況の時あまりよくない心理状態になることにより老害化することになります。

対策の策定

 これで、現象が明確化され、原因もわかりました。そのよくない心理状態を脱出するにはどうしたらいいか?ということです。
 その方法は各人によって違うでしょう。そこに至る方法も、問題解決から導くことができます。  しかし、それを行うためには、もう少し考える材料が必要です。  機会があれば風太郎の「老害化未然防止」の記事でも書いてみたいと思います。

他人をバカにしたがる男たち 日経プレミアシリーズ

 

すいません、失敗したのは努力とか自覚が足りないからです

原因を意識にする人(達)

 先日後輩がちょっとした失敗をしました。ええ、本当にちょっとした失敗です。風太郎もちょくちょくやるような失敗です。ところがその後輩は連続して同じ様な失敗を繰り返していました。
 風太郎の見立てでは彼は発達障害かもしれません。どうしてわかるかって?これは風太郎の経験からです。風太郎も精神科に自分が”ADHD(発達障害の一種)ではないか?”と質問したところ、見事に”そうだよ、検査するまでもないよ!薬いる?”と言われたレベルです。(汗) 検査するまでもなくADHDということですね。後輩も同様な傾向が見受けられます。
 そういう失敗続きの状況に対して彼の回答は
「自覚が足りませんでした、以後失敗しない様に努力します」でした。
 滅多に声を荒げない風太郎ですが、流石にこの時は声を荒げました。
「仕事を精神論にするな!こんなことに努力するな!もったいない!」と言いました。だいたいこういう努力論をいうのは老害世代だけだと思っていたのでショックでした。

どうして自覚や努力のせいにしてはダメなのか?

 一言でいうと面倒だから、
 まじめな人は怒るかもしれません。このことについて風太郎は二つの仮説を持っています。

  • 人の世1日に使える集中力には限界がある
  • 消費する集中力はその人と作業内容によって異なる

ということです。このことから細かな事に集中力を使うのはばかばかしいと考えます。まぁ、理屈はともかくとして仕事で楽するのは大事です。これを生産性向上と言います。
 ならばどうしたらいいか?それはシンプルなルールづけを行うことをお勧めします。次に一例をあげてみますね。これはほとんど(数値以外)は実際に会社でやっている内容です。

シンプルなルールづけの例(会社の机のお片付け)

 ここでは、多くの人が悩んでいる片付けにします。彼の失敗は業務そのもので、あまり参考にならないのでこの片付けにしました。 それに多くの人が悩んでいますよね?風太郎も会社生活数十年苦しめられて、やっとここ数年で片付くようになりました。
 今回この片付けができる方法を明確にしてみます。

手順1:判定ルールを定めます。
  • 机の上においていいのはつぎの通り
    • パソコン
    • 書類(決裁、回覧など)入れ
    • 書籍、バインダ(立てること)
  • その量を数値として定量化する
    • 書類の高さ3.2cm以下
    • 書籍、バインダの長さ(20cm以下)

 という具合です。こうすることによって、「どういう状況にしたらいいか?」がはっきりします。
 こういう状況がイメージできなくてかたずけられないんですよね。 以前から「風太郎くん!机の上散らかっていると思わないのか!」と言われても、 「思いません!」と言えなくて苦労していました。しかし、こんなシンプルルールに置き換えられたのならわかります。

ルールを守るための手順を明確にする

 今度はその判定ルールを守るための手順を定めます。行動ルールと呼んでも良いですね。
 例えば次のようにします。

1.書類入れの書類の整理。捨てる、他の人に渡す。バインダーに綴じるなどをおこなう
2.書籍、バインダーの整理。書類を捨てる、入れ替える、机に保管する
3.机内部の書類を捨てる

と言った感じです。企業によってはスキャナー、シュレッダーなどを用います。  頻度は後になる程(数字の多い程)少なくなります。 1の書類入れの書類を整理は毎日で、3の机内部は月1回程度です。
 気をつけないといけないことがあります。後になっている行動をさぼると書類入れの書類が片づかなくなります。そのため今度は行動ルールを実行する計画を立てないと行けません。方法は毎日、週一、月一と決めたり、予定表に入れたりします。

ルール、頻度設定の注意事項

 よくあるのが、かなり真面目にやろうとしてやり切れない事です。怠惰な計画にしましょう

大事なことは考え方

 いろいろな片付けのノウハウが本やネットに紹介されています。しかし、その通りにしようとしてもうまく行きません。風太郎のルールを自分にしようとしてもダメでしょう。それは一人一人の状況が違うからです。
 大事なのはそのやり方をきめるルール作りの考え方です。わかりやすい判定ルールをシンプルな手順を考える事によって出来ない事が出来るようになります。もう一ついうと、本に書いてあるやり方は「本をかけるレベル」のやり方です。一般人ができるとは思えません。
 風太郎のブログの主題は”問題解決”です。これは訓練すればほとんどの人ができることでないと意味がありません。そのため、その考えに至るプロセスを重視します。今回の場合は「シンプルなルール付け」「気を使わずに行える内容」が大事なことでしょう。

相手に伝わるメールの書き方ーメールは我流でいいんじゃない?

メールはビジネスのための必須ツール だけど・・・

 風太郎はプライベートでも仕事でもメールします。プライベートメールは比較的気楽ですよね。気楽な相手にだけメールします。大変なのは仕事です。
 以前は手紙の様に書いていました。XX様、○○です。先日はお世話になりました。・・・・今回メールささせていただいたのは・・・・です。・・・・ という感じです。  しかし、今はそういう書き方はしないし、送られても困ります。
 何故かというとメールの受発信本数が半端なく多いからです。一日中メールのやりとりで終わったなんていう日もありました。
 数えてみると送信メール30通、受信メールは約300通でした。

メールの独自性と変化

 こういう時にどういう風にメールを書けばいいのでしょうか?どうしたら書きやすいメールになるのでしょうか?今回は、他者の”やり方を参考にしない”方法です。
 現在メールは仕事に必要なツールです。しかし、意外と歴史が浅くてメール=Eメール(インターネットメール)という認識がで始めたのも、21世紀になったぐらいです。
 そもそも、生まれは1980年代です。当時はパソコン通信というものがありました。そこでメールを使うことができました。その他に一部研究者レベルでインターネットメールがあった程度です。今からだと信じられないと思いますが、インターネットメールが到着するまで数日かかったり、大学や研究者以外は海外へのメールが禁止だったりしました。そして、各パソコン通信の業者間は相互にメールができません。当然、インターネットへのメールもできません。  こういう風に歴史の浅いメールの歴史を考えると、何世代にも渡って時間の洗礼を受けたメールの書き方というのは存在しません。ですから、あまり年上の人のいうことを信用するもんじゃありません。(これはメールに限りませんね、機会ある度に同じこということになりそうです)

いろいろなメールの書き方が必要

 歴史が浅い他にも書き方が一定しない理由があります。  メールが普及する以前は手紙、電話、FAXです。これらと比較すると、メールの大きな違いは「送受信数」とそれに伴う「多様性」でしょう。送受信数は先ほど述べた通りです。ここでメールの多様性といっても一般的な言葉でないで、説明します。
 メールの送受信においては 相手と自分の立場x送るべき内容x量x即時性etcにより、その時々によって大きく変わります。これによって組み合わせ爆発が起こり、最適なメールの送り方を定義することはできません。最近でも驚いたり考えたりしたことがあります。

  • 一日中メールで終わった。と家に帰って話したら家族から不審な顔された。「いや仕事だから」と言ったら驚かれた。(人によって打つメールの種類は全然違う)
  • 同じ相手に同時に打つメールを分割しようかどうか迷った。全く違う仕事ではないが、一つは「すぐやる事の事後報告」もう一つは「あとで検討して、数日中に回答ほしい内容」今回は分けたけど同じメールでもいいし、分けるかどうか悩むところです。(同じ送信先でも業務内容が異なれば迷わず分割します)

この様に多様性がある以上は、あるルールを決めてそれにしたがって考えるのが妥当でしょう。 納期を連絡する場合のいくつかの例をあげます。



『比較的近しい人』 

〇〇さん
風太郎です
先日お願いした〇〇の送付は○月○日までにお願いできますか?

実は上司への報告が△月△日に決まって、そのリードタイム勘案するとそれぐらいにほしいからです。  以上、いつもお願いばかりで申し訳ありません。よろしくお願いします。



『発注先へ』 

株式会社〇〇 〇〇様
 Office風太郎 風太郎です。
 先日ご依頼した件下記の締め切りでお願いできないでしょうか?

納期:○月○日

 弊社内での報告会が△月△日と決定しました。
 それに間に合う様に資料をいただきたいと考えております。
   以上よろしくお願いします。



『顧客へ』 

株式会社○○ 〇〇様
 Office風太郎 風太郎です。
 先日はXXのご依頼ありがとうございました。
 その件でお願いした資料の件
 ○月○日までに送付していただけないでしょうか?

 弊社内で本件の検討会が△月△日に実施いたします。
この日を逃しますと後々の日程に影響してくるためよろしくお願いいたします。

この時に、近しい人には”助けて”、発注先には”事実”、顧客には”理由”(顧客視点でのメリット)を書いておきました。 これが一番相手が動いてくれるパターンと考えています。しかし、それは個人や、会社によって変わって来るでしょう。
 また、改行をうまく使って相手に伝わる様に気をつけています。


メールにとって一番大事なのは

 ここで言いたかったのは、自分と相手の関係性により言葉遣いが変わって来ることは多々あります。またローカルな話し方もあります。そういったことを考えて、「今ここで最も通じるメールの書き方」というものがある。だから、その場で考えることが大事。
 メールのパターンではなくて、メールを作るパターンを考えることが大事ということです。

大学で学んだこと-大学が必要か否か?の1sample(後編)

自分の人生で大学は役に立ったか?

 結論からいうと役に立ちました。
 次の目標が達成出来たからです

  • エンジニアになりたい
  • 仕事に必要な知識を身につけたい
  • 実験というものを沢山したい

 3っつ目については不思議に思う人も多いでしょう。小学校以来理科の実験を楽しみにしていた風太郎にとっては、大学に行くといっぱい実験できる!というのは大切な目標でした。
 この目標が達成できたかどうかというのは風太郎にとって大切なことです。しかし、これは一つのサンプルです。そこで、これが一般的に言えるかどうか?そういう検討をしてみます。言い方を変えると、上のことがどれほど多くの人に合理的(一般の人が納得できる理屈になっている)に言えるかどうか?ということです。

合理的に他に当てはまるか考える

 ではこの事は多くの人に当てはまるのでしょうか?この所を検討します。

就職のための資格を得ることが出来た

 エンジニアを新卒で募集しているところの多くは高専卒または大卒以上です。このことから大学を卒業することはエンジニアとして就職するのに役立ちました。
 また当時高専は入試レベルが高く風太郎には無理で、一部の高卒技術者採用については狭き門でリスクもあり、理系大学の卒業が一番簡単でした。

学習したことが仕事に役だった。

 詳しくは後述します。正直不真面目で移り気な学生でした。それでも十分な知識を得ることができました。

実験を楽しんだ=学びを楽しんだ

 タイトルの通り実験だけでなく学ぶことの楽しさを知りました。
 あまりにも面白くて、それまでの学校(特に高校まで)は、最高の素材(学問)を不味く調理して食わせるところとう持論を持つほどでした。どこが違うかというと大学の講義の面白さはかなり具体的な話になります。たとえば数学も単純な理論だけではなく、同時期に学んだ他の講義との関連を考えたりして楽しいものでした。
 ここのところは一般的にみんなそう思うかどうか?は難しいところがあります。大学生や、大学進学経験者にとってどうなんでしょうか?

大学で学んだこと

一般教養

 一般教養が意外と楽しかったのを覚えています。今でも専門書以外を楽しく読んでいます。  このブログでも技術専門書以外を紹介したりしています。
 学業関係で覚えているのは「ジャパン アズ ナンバーワン」「菊と刀」「日本人とユダヤ人」の3つの書籍を比べたことと、インフレについて調査したことです。これら二つをレポートした理由は

  • 多くの意見(できたら対立する意見)をよく調査する
  • 子供時代レインボーマン(特撮)の死ね死ね団の偽札でなぜインフレーションになったか不思議に感じて調べた

です。今とそう理由は変わっていません。そういういい加減な理由もありながらこの時身につけた勉強する態度というのは今の仕事のレベルアップにも役立っています。

必須科目

 具体的な科目は語学、数学と物理、化学です。正直これらはそれほど力を入れなかったので能力は低いです。その結果仕事などで困ったり、また覚えなおすために勉強して大変です。
 それでも、一度習っていたので完全独学よりましでした。これらの能力は専門的な業務を行う人にとっては役に立つでしょう。

専門科目

 これは本当に仕事に役に立っています。特に材料系の知識はかなり役に立ちました。「炭素鋼の状態図」なんていうのは未だ活用できます。
 また今でいうIT関係、AI関係も勉強しました。これも役に立っています。当然今と全く異なるものでした。しかし、メンテナンス性の高い(可読性の高い)コードの書き方。OSの基礎(LINUX以前の話でMINIXというもので勉強しました)、大規模なソフトの作り方(みんながコードを書くのではなくて全体リーダがいる。当時はプログラムというのは一人でコツコツ書くものだと思っていたので驚きました)は未だ役に立ちます。
 また、この時の勉強結果を基礎としてITの進歩についていた結果いろいろ業務にも役に立っています。
 風太郎に限らず多くのエンジニアは専門知識が必要です。そういうもの基本は大学で得ることができます。  大学というのは理系については勉強内容が将来の役に立つということが言えると断言します。

一般的に大学は必要か?

 上記の様に「理系エンジニア」を目指すならば

  • 就職の入場チケットを得るために卒業が必要
  • 仕事に活かす知識(実践、基礎)およびそれを学ぶために大学の勉強は役に立つ

 ということが、説明できたと考えます。じゃぁ本当に合理的に説明できたかどうか?というところがこの記事の肝です。正直50点です。例外多数で皆が納得することではないでしょう。

俺は高卒でエンジニアとして働いているぜ 俺なんか専門知識なしでもちゃんと仕事しているぜ! * 専門知識が必要としても、それは大学で学べることとはちがうよ

 このところを合理的に説明できませんでした。ただ、多くの理系の大学生は真剣に学んでそれを仕事に生かしているのも事実です。「受験勉強よりきつかった」という人もいます。
 この記事ではエンジニアには、理系大学で学ぶことが必要である。ということを合理的に説明する。という目標の記事を目指しました。
 残念ながらその試みは失敗しましたね。風太郎個人の1sampleだけの話から証明できませんでした。

ネット世代は有能になれる?ー「言葉:巨人の肩に乗って」

広大なインターネットがあれば巨人の肩に乗る(by standing on the sholders of Giants)ことが易しい

 巨人の肩に乗るということばがあります。これは先人に学べということです。 wkipediaでは次のように説明されています。 巨人の肩の上 - Wikipedia 詳しくは後で説明するとして、大事なことは「しっかり学ぶと自分が楽できる」ということです。そして、これはインターネット世代こそ有利なことだと考えています。特にインターネットネイティブな世代は有利なんじゃないでしょうか? 今日はこの話を進めていきます。
 風太郎は問題解決で生活しています。この問題解決っていうのを長年やっていると「いつかどこかで似たような話を聞いたな」ということが多いです。以前なら相当本を読んで、経験も積まないとなかなかレベルアップはむずかしかったのです。また、風太郎は、色々なコンサルタント(研究者の副業としてのコンサルタント含めて)の方と話することも多くあります。技術的なものも含めて、問題解決のコンサルタントの方は多くの経験を積んでいるようです。そのため、優秀なコンサルタントはある程度の年齢の方や、かなり早く出世されたような人が多いようです。
 そういう方々と話をすると自分とのレベル差を感じることも多々あります。そして、彼らには共通点がある様です。

巨人の肩に乗るということ

 そういった、優秀なコンサルタントの方全員に”先生”とか”博士”とか呼ぶ彼らを指導した先生(ややこしいので大先生と呼びます)がいます。さらにその大先生方を指導した人もいるようです。  大先生の大本となる様な人、そういう人がゼロから理論を構築したか?というとそういう訳ではないようです。ここで例としてて、何人か調べてみます。調査のしやすさからどうしても日本人に関係する人になってしまうのはご容赦ください。

TOC(制約理論)ゴールドラット 博士

 TOC(制約理論)で有名なゴールドラット 博士は日本の大野耐一氏(トヨタ生産方式の産みの親と呼ばれている方)から影響を受けました。個人の費用で、当時日本語でしか出版されていなかった”トヨタ生産方式”の翻訳をされたそうです。また、大野耐一氏も幾人かから影響を受けたようです。もともと大野耐一氏は紡織関係の会社からトヨタ自動車工業に転籍しています。その関係から影響を受けているようです。

品質工学(タグチメソッド)田口玄一博士

 品質工学・タグチメソッドで有名な田口玄一博士も当時の高名な統計学者である増山博士を師と仰ぎ、増山博士の前ではおとなしいものだったとお弟子さんが語っています。また、田口博士の論説を読むと、フィッシャーや色々な論文を読みこなしています。田口先生は戦前生まれ(従軍経験もあり)という英語の勉強のしにくい世代に関わらず、どうやって英語を学び、論文を入手したか不思議に思います。また、頻度主義全盛の時代にベイズ統計に興味を持たれて、JIS(日本工業標準)にもその考えを入れたそうです。

 このように過去の偉大な方々はさらにそれより先行している人の知見をよく学んでいます。

おじさん(ネットの価値の少なかった)世代ととネットネイティブ(Win95世代以降)の考え方の違い

 そういう状況の中で、最近はちょっと変わってきたな?と思うような経験がありました。その一つは自分のアイデアに関する評価です。おじさん世代だと、これはいいというアイデアがでると、「俺すげー」となります。(風太郎もそうです)しかし、若い世代(特に20代半ばまで、Windwos95発表と近い生まれの方)は、「他に誰か似たようなこと考えている」という前提で話を進めてきます。一人や二人ではなくて、数人の方がそういう話の仕方をしていました。あまりにも気になったので、「なんでそういう風に考えられる?普通人間って自分すげーってなるもんでしょ?」と聞いたところ「思いついたことを検索したらネットに出ている」という風に返事されました。
 たしかにそういうことは心当たりあります。また、ある試験を受けたとところ「ググるのも実力のうち」ということでネット受験の時間中にググるの前提で問題設定されていました。それに対して不快感を示す方もいましたが、風太郎は「ググるのも実力のうち」という言葉は納得できるし、自宅で受験した場合にPCやネットの差が成績に影響するのもわかります。
 このように先人の知見というのが簡単に手に入るようになっている今の状態は、意識そのものも変わっているのでしょう。かつては蔵書の量が重要でした。調べたいことがすぐ手元にあるのが大事だったのです。
 しかし、現在では有償、無償問わなければ、古い情報から最新の情報まで多くの情報をすぐネットから手に入れることができます。情報の質もいろいろ変わってきました。かつては情報は主に書籍や報道によるもののみでした。そしてその情報発信をするためのハードルは高いものでした。現在は打って変わってだれでも情報発信は可能です。実際にこの風太郎のブログなんかもその一つです。
 そこには編集者によるフィルタがなく、誤字や表現に難があったりします。また、検証されていない情報や個人の意見と一般論をごっちゃにしています。そういった大量の情報を取捨選択することにより巨人の肩に乗ることと同等のことができるでしょう。
 そう巨人ではなく、組体操の上に乗っているともいえるでしょう。

ネット時代の巨人の肩に乗り方

 先ほど有償無償を問わず情報を得ることができると述べました。情報の質が高いのが各学会の論文でしょう。これも、ネット場で検索してカード支払いで購入することができます。その次が書籍でしょうか?これも今は多くの電子書籍があります。本の書籍でも入手までに一週間もかかることは稀でしょう。機会があれば書いてみますが、以前の書籍の注文してからの納期は酷いものでした。書籍について色々意見はありますが、編集によるチェックを受けています。また、多くの人の洗礼を受けているのがWikipediaです。QiitaやTeratailは個人のみが情報を発信しています。もちろん、査読受けている論文に間違いや、嘘があることもあります。Wikipediaでも間違った記述もあります。
 それでも、すぐに検索できる、広く検索できる、情報をすぐ手に入られるという環境においては、以前のように必死に本を読んで記憶したり、蔵書をすぐに調べられるようにしなくても、巨人の肩に乗ることができるでしょう。いや、組体操のピラミッドのトップでしょうか?
 ネットから良い情報を入手して、自分の考えを加えることによりよりよい結果を出せるものと考えます。

 数値の裏に潜む事実を見つけろ!「書籍:コンテキスト 思考 ─ ─ 論理を超える問題 解決の技術 」

表面的な「コンテンツ」でなくその裏側の「コンテキスト」を見つけろ  

 問題解決では問題から問題点を考えることが大事と言い続けています。
 この本も問題の裏に潜む問題点へのアプローチに参考になる本です。この本では数字で表すことのできるコンテンツと、コンテンツの裏側にある「コンテキスト」を対比させています。この対比が問題解決を行うための良い勉強になります。

コンテキストって何?それは結果に影響するなにかです。

 ここであまり馴染みのない「コンテキスト」という言葉について少し説明します。風太郎自身も「コンテキスト」という言葉には馴染んでいません。しかし、問題解決ではよく使われる考え方なのですぐに理解ができました。風太郎の理解した内容を説明します。

コンテキストを考えるための事例

 説明の方法として事例を考えて見ました。風太郎の専門外の事で事例を作って見ました。「え?専門外なの?レベル低いじゃん」と言われそうですね。これには理由があります。 futaro.hatenadiary.jp に書いた様によく知っていることは説明しにくいからです。

コンテキスト理解のための事例

<役割>

  • あるレストランチェーンの本部の経営方法を考えている。
  • 利益率は悪くないが、1店舗あたりの売り上げが競合他社と比べてよくない。
  • 1店舗あたりの売り上げを増やすことが与えられた使命である。

<やりかた>

  • 一人一人が売り上げをよくするために努力しようと呼びかける。(体育会系問題解決?これでなんとかなる様な問題ならば、今まで無視してきた上位陣が無能)
  • 競合他社との比較を行う。値段や量、店の雰囲気etcその上で、自社の店舗の対応を考える-値下げ/値上げ、量を増やす/減らすetc- (コンテンツ)
  • 事実(例えば上記の比較)を元に、裏側に潜む原因を探して行く(コンテキスト)

 という感じになります。一つ目はやりすぎるとブラック企業になります。
 二つ目は悪くはないのでしょう。独自性とかなく、売り上げも競合他社の平均並みを目指すなら、それでもうまく行かないことが考えられます。だいたいどこの会社も同じ様なことをやり始めますから。
 三つ目が大事になってきます。ここで感覚的に判断したら最初の例とあまり変わらない結果が出てくるでしょう。

コンテキストは問題の真因に迫る

 問題解決では「真因」ということが使われます。この真因を見つけるかどうかがポイントとなります。真因に対して対策を打つことが重要です。

 コンテキストを考えるということはこの真因を考えることと同義なのです。

 レストランチェーンの場合もいろいろ考えることになるでしょう。そして、その解は無数にあるでしょう。コンテキストを考えることにより、より深いレベルで対策を打つことができます。ほとんどの場合はその真因に対して手を打つことの方が投入するエネルギーも小さく、良い結果を得ることができます。

この本の良さはコンテキストの求め方にある

 この本ではコンテキストを求めるための道具を紹介しています。
 例えば3つのコンテンツ思考について述べています。  Surroundings( 環境)/ Soil( 土壌)/ Sun(太陽) です。  そのほか、知識じゃなくて教養を高めろ、目的を明確にしろなどいろいろな思考の道具類を紹介しています。また、教養がそのために必要だとも述べています。  さらには各章毎にまとめもあるので、一度読み終わって、後から読む直す時などに使えます。これも「良書」と言えるでしょう。

コンテキスト思考―論理を超える問題解決の技術

コンテキスト思考―論理を超える問題解決の技術

独り言!?自分自身への問いかけが問題解決の第一歩 「書籍:問題解決 自分のやっていることの9割を疑え」

 今日も自分にいろいろ問いかけています。独り言でぶつぶつと。いや、それはあやしいおじさんだろ!それじゃない!この本は真面目に問題解決について書いている本です。あやしいおじさんの事ではありません。
 この本ではイシューという問いかけが大事だと言っています。問題解決を行っている風太郎としてこれは有効な考え方の一つだと断言します。

この本でイシューの定義とは

イシュー とは 日本語 で 言う 課題 の こと で、 答え を 出せる 問い の こと です が、 ただ の 問い とは 違う 点 が あり ます。

そして、どの様に「ただの問いと違う」のか?

この よう に、 yes, no で 答え られる 問い の こと を イシュー( 課題) だ と 考え て ください。

 と記述しています。  

 このイシューまで落とし込んで行くことが、問題解決に大変役立ちます。
 それはなぜか?それは問題解決で大事なのはどこに問題点があるか?とそこを明確にする事です。このブログでも今までも言及していました。これからも言及していきます。そして、今まで読んだ問題解決の本で覚えている限り、最近読み漁ってる問題解決の本すべてでこれが書いてあります。

問題解決には多くの書籍の読込みと経験が必要な訳

 問題点を見つけることが大事だというと、「簡単だね、問題解決なんて、問題を起こしている問題点を見つけだしたらいいんでしょ」と思う人もいるかもしれません。問題点を見つけ出したら簡単という訳じゃありません。問題点を見つけ出すのが一番難しいからここが重要だと繰り返していうのです。
 一番難しいのはその問題と問題点の違い(これは本によっていろいろ表現が異なります)を自分で納得することです。風太郎は統計的品質管理の世界も足を突っ込んでいます。そこで教えていただいた先生から「君たちの言っていることは願望だ」「願望を直接解決しようとしてはいけない、機能を改善しないといけない」と何回も指導を受けました。それが、問題解決の問題(願望)と問題点(機能)ということに気がつくまでに十年ほどかかりました。
 そんなに時間がかかったのは「お前が無能だろう?」と言われるかもしれません。そう言われたら、その通りと答えるでしょう。実際に一気に理解している人もいます。しかし、これができない人も数多く存在しています。すぐに、習得できる人の方が少ないと考えます。おそらく普通の人はそう簡単に習得できないでしょう。多くの人は時間をかけて習得しています。
 できるだけ早くそれを理解する方法としていかに上手にイシューとして捉えるか?そういう考えは有効でしょう。 イシューを作ることは難しく、なんでもイシューにできるわけではないと考えます。そういう難しさを超えて問題解決して行くことが良い訓練になると思います。
 欲を言えばこの本はクリティカルシンキング中心の本です。そのため、イシューに関する解説は半分弱になっています。しかし、それでも十分価値のある本です。
 また、この書籍はKindleのみで出版されている様です。そのため、文章量の多くありません。読書慣れしてなくても読みやすくなっています。
 そういう読みやすい本だから読んで見て欲しいです。また2018年9月自伝ではKindleUnlimitedで読むことができます。

問題解決: 自分のやっている9割のことを疑え!