翻訳 科学的管理法の原則 by テイラー その1
なぜ翻訳したか?
世の中にはトヨタ生産方式(なんちゃって含め)XX生産方式というのがある。しかし、小手先だけの「浅い経験値」だけのモノも多く見られる。
そういう人とは話が合わなくて、「なぜそうなったか?」という話をしたいときがある。
まずは、著作権の切れた上記書籍の翻訳をコツコツとやっているのでここで流してみようと思う。元々はプロジェクトグーテンベルグのものである。これについては別途説明する。
また翻訳についてはDeepLで翻訳したモノをチェックして修正した。
では以下に翻訳を記述する。
科学的管理法
The Principles of Scientific Management by FREDERICK WINSLOW TAYLOR, M.E., Sc.D. 1911
前書き
ルーズベルト大統領は、ホワイトハウスの知事に向けての講演で 「天然資源の効率的な活用は国家の効率というより大きな問題へのたった一つの前提だ」 と述べています。
国全体が我々の資源を保護することの重要性を一斉に認識しました。そして、大規模な運動が開始されました。しかしまだ、ぼんやりと”効率を高めるにはどうしたらいい?”という段階でした。
森林が消え、水力が無駄になり、洪水によって土壌は海に運ばれます。そして石炭と鉄が尽きていくのが見えています。にもかかわらず、努力を超える消費が毎日に行われています。不手際があり、方向性はありません。ルーズベルト大統領の言う”国家の効率”というモノは漠然として、計測もできず、目に見えない状況です。
これまでは人間が第一でしたが、これからはシステムが第一でなければなりません。(訳注:意味としては、”これまでは各個人に任せっきりでした”という表現の方が意味が通る)しかし、このことは、偉大な人間が必要ないということを意味するものではありません。 それどころか、優れたシステムの第一の目的は、一流の人間を育てることでなければならない。 そして、システム化された管理の下では、最高の人間がこれまで以上に確実かつ迅速にトップに上り詰めるのである。 これまでは人間が第一でしたが、これからはシステムが第一でなければなりません。しかし、このことは、卓越した人間が不要という意味ではありません。それどころか、優れたシステムの第一の目的は、一流の人間を育成することでなければならないのです。そして、システム化された管理の下では、最高の人間がこれまで以上に確実かつ迅速にトップに登りつめます。
本書ではでは次の様に述べます。
はじめに、一連の簡単な図解を通して、国中の人々が苦しんでいる大きな損失を指摘します。 一連の簡単な図解を通して、私たちの日常生活のほとんどすべての行為における非効率性によって、国全体が被っている大きな損失を指摘するためです。
次に。この効率の悪さを改善するには組織的な管理が必要です。そのことを読者に理解してもらうためにこの非効率性の解決策は、非凡な人物を探すのではなく、体系的な管理にあることを読者に納得してもらいます。
三番目に 最良の経営とは、真の科学であり、明確に定義された法律、規則、原則を基礎として成り立つものであることを証明すること。さらに、科学的管理の基本原則は、最も単純な個人の行為から、最も精巧な協力を必要とする大企業の仕事まで、あらゆる種類の人間の活動に適用できることを示すこと。そして最後に、一連の図解を通して、これらの原則が正しく適用されたときには、真に驚くべき結果がもたらされることを読者に確信してもらいます。 本書は、もともとアメリカ機械学会に提出するために作成されたものである。選んだ事例は、特にエンジニアや工業・製造業の管理者にアピールできるものである。 また、これらの施設で働くすべての男性にも同様にアピールできるものであると信じている。 それだけではなく、同じ原則が、家庭、農場の管理、大小の商人のビジネスの管理、教会、慈善団体、大学、政府機関など、あらゆる社会活動に等しく適用できることが、他の読者にも明らかになることを望みます。
訳者注記
- 原文” national efficiency”に相当する訳はないようです。そのため、”社会の効率”と翻訳しました。Nationalを社会と訳するところは、品質工学(タグチメソッド)の影響です。社会の損失というのがタグチメソッドの大事なキーワードです。
- Managementという所の訳が非常に難しいです。一般的なな管理とはことなります。動詞として使うとManage toで うまくやるという意味になります。この点を考慮してマネジメントという言葉の意味を考えるといいかと思います。