OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

AIがまたバブルに終わる予感ー無知が殺す未来ー

バブルとは?

 バブルはいろいろなところで使われます。特に経済的なバブルが有名ですね。その定義はいくつもあるようです。その中でわかりやすいと思うのは田口玄一博士の言葉です。下記にそれを示します。(やや風太郎がモデファイ)

経済の成長が生産性の向上を超えている時に発生する

 と言うことです。
 なぜ、経済の成長が生産性向上を超えるか?その理由は、根拠のない期待でしょう。いままでそういうバブルを繰り返していました。

 今も同様に人工知能が根拠のない期待によるバブルである気がしてしかたありません。

 マスメディアからは「人工知能が仕事を奪う」「人工知能が人間を超える2045年問題」などいろいろあります。これはフィクションのネタにはなります。先日も雑誌で2045年問題に関係するマンガを読みました。マスメディアの論調はこのレベルと大きく変わらないレベルも多いように感じられます。

仕事を奪うということ
 これは悪意ある言葉の使い方でしょう。投入した価値に対して出てくる価値、これを生産性と定義します。文明というのはこれを高めることをおこなってきました。必要な量を確保すると、それに携わる人が減ってきます。ずっと仕事を奪い続けていたと言えます。例えば、江戸時代は農民の数は7割とか8割とかと言われいます。今の日本でそれだけの人が農業に携わったら、農作物があまりすぎるでしょう。その分が他の産業に携わっています。また、みなさんがこのブログを見ているパソコンとかスマホは性能に対して、携わっている人などがかなり少なくなっています。こちらの場合は機能向上のため携わっている人は増えている様ですね。
 この様に同じ価値を少ない人、同じ人ならさらに高い機能を供給することが、生産性向上です。これを、悪意ある言い方だと、仕事を奪う、場合によっては労働強化とかいう言葉が使われています。 
 先ほど述べたように、生産性向上は耐えず行われています。風太郎が若い頃は先輩の方には林業などから転職した人がたくさん働いていました。また、先輩たちの世代から離農や兼業農家になった方もいらっしゃいました。このように、産業構造は絶えず変わり続けています。歴史的に見ると近代(明治以降)では昭和の終わりから平成にかけての方が変わらないぐらいじゃないでしょうか?

人工知能が人間を超える2045年問題
 これはシンギュラリティと言われていることです。AIがAIを生み出すことによって人間を超えるということです。「ない」と言い切ることはできませんが、「ある」ということをいう方が難しいでしょう。元々は演算処理能力が人間を超えることからきているようです。
技術的特異点 - Wikipediaで調べました。
 しかし、これはハードウェアの進化です。単純な演算能力だと世界のコンピュータの演算処理能力の総計は人間を超えているでしょう。しかし、それに見合うソフトウェアはそう簡単に出てきません。人間を超える様なソフトはまだ提唱されていません。
 ただ、これに対しては自信がないところもあります。ある時大天才がなんとかしちゃうかもしれません。しかし、現実はそういうのはどんどん複雑化しており、一人の人が全て開発するのは極めて困難でしょう。昔のフィクションでは一人の天才が複雑なものを作っていました(鉄腕アトムマジンガーZ)。しかし、現実としては一人では無理なため、倫理含めて制限がかかることが考えられます。「悪の天才科学者XXXX」なんていうのは出てくることはありません。
 小説「未来の二つの顔(JPホーガン)」は国家レベルの実験で人工知能を進化させていました。それぐらいの規模は必要かもしれません。
 そういった計画がない現在では「2045年問題」は空想でしょう。

その他
 転移学習や、強化学習などの記事が出ています。どちらも「簡単に」っていうことが言われています。しかし、それもそう簡単ではありません。詳しくは説明しませんが、風太郎の経験では、かなり大変なものです。

バブルの何が問題か?

 そうやって、人々が気にしてくれて予算やら人材やら連れてくるのはいいことです。問題は期待通りの成果が出なくてバブルが弾けたあとです。例えば二次ブームのあとです。その時風太郎は人工知能の研究者と近いところにいました。その当時バブルはじけてひどいものでした。風太郎は、「冷たい目で見る方でした」実際ディープラーニングを最初に聞いた時は「え?なに?ニューラルネットワーク?そんなの要らない!」って言い切りました。
 あの、二次ブームの狂騒を知らなかったらもっと素直に取り組めたかも?と思います。また、二次ブームの後、多くの予算がカットされました。
 こういう風に今の熱狂とマスコミの伝え方からバブルの崩壊とその反動を恐れます。二次ブームの終焉後に日本ではかなり厳しい状況になった様です。しかし、アメリカは着実に研究を進めて居ました。また、イギリスでもオックスフォード大学などで研究が進められていた様です。今回も同じ様なことが起これば、この世界でまた米英と差がつくと思います。必要なのは、熱狂やブームではなく着実に研究や実用化を進めることでしょう。それに対してバブル崩壊は大変危険だと心配している今日この頃です