OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

中国嫌いの人はスッとする本

嘘だらけの日中近代史

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一応ノンフィクションになるのかなぁ?という作品、中国嫌いの人はスッとするので読んだらいいかと思います。 また、基本的には面白い本です。 この本では、中国の歴史を紐解いています。知らない人はこれを読んで知っておいた方が良いと思うところがあります。 中国という国は基本バラバラであるということです。 軍閥が割拠しているとこに武力行使の良し悪しは人によって考えるところが異なると思いますが、 歴史の教科書のように国土全体に主権を及ぼしていた土地を武力によって切り取った。と思わせる表現よりはより事実に即しているでしょう。 現代中国(中華人民共和国)はかなり統一された国ですが、第2時大戦当時はそういうものではなかった。ということです。 それを一つ一つ述べています。
 時代的には、この本では日中戦争中心に述べられています。それに清朝末期と戦後日本が言及されています。 中国という国に対する日本人の知識は近代に対しては比較的少ないものです。それは物語で培われたところも大きいのでしょう。 中国の昔のことの方が近代よりよく知っていたりします。

この本の良さと面白さ

 この本の良さは、中国の近代を説明してくれている点です。この手の内容で新書ベースではなかなか言及されていません。 しかもそれが新書で読めるので比較的コストパフォーマンスよくなっています。その点でおすすめできます。
 また、この本の面白さは、「だよなー、そうだよなー」と納得させてくれるところです。 相手が悪くて、自分が正しいということは気楽なことです。それを読むのは楽しいことで、一気に読みました。 中国は悪辣で日本人は正直、中国は近代化されていなくて日本は近代化されている。そういうことを一冊全てで言及しています。

 この本を読んで思い出したことがあります。大昔のノンフィクションで有名な「自動車絶望工場(鎌田 慧)」のことです。 若い頃大学の先生とこの本の話をしたことがあります。先生の話をまとめると次の通りです。

  • 先生自身は社会学の研究者として作者と同じ立場である
  • この本はしっかりと調査している本である
  • 最初に結論を出してそれに対して、調査していくのはジャーナリストの態度として問題がある

ということでした今回も同様の問題を抱えていると思います。 以前も引用した ノンフィクション - Wikipedia にはこのように書いてあります。

ノンフィクション(英語:non-fiction) とは、史実や記録に基づいた文章や映像などの創作作品。また、その形態。ドキュメンタリーやインタビューなど多肢にわたる。製作上の綿密な調査や取捨選択など作成者の独自色が出る。

作者の独自性が出るということがポイントです。 この独自性は上記のように「中国悪い」「日本いい」ということです。これを元に言及されているため、どうしても思考が誘導されているのです。 それを理解して読めば面白い本と思います。