封印作品の謎 -テレビアニメ・特撮編-
Kindle月替わりセール
ノンフィクションというジャンルがある。これは事実をしっかりと調査しているものだ。
しかし、最近はほんと本屋で見なくなった。
「ノンフィクション(または調査報道)」と称した、感情を爆発させたものとか、事実を元にした小説を「ノンフィクション小説」とした物とかが多い。
その点しっかりとしたノンフィクションで、読む価値がある本だ。
ノンフィクションは
ノンフィクション - Wikipedia
によれば、
ノンフィクション(英語:non-fiction) とは、史実や記録に基づいた文章や映像などの創作作品。また、その形態。ドキュメンタリーやインタビューなど多肢にわたる。製作上の綿密な調査や取捨選択など作成者の独自色が出る。
となっている。これに加え、作者自身の経験や感想を加えると全体として深みが増す。
この作者の経験や感想の加え方が絶妙になってるんです。これないはインタビューした人の言葉の取捨選択も同様で、ポイントは離れ過ぎてもダメ、近づき過ぎてもダメっていうことなんです。
その点が絶妙に加えられたり、取捨選択されているのがこの本の面白さになっています。
軽いノンフィクションを求めている方にはぜひ読んでほしい一冊です。
内容
ウルトラセブン/怪奇大作戦/ノストラダムスの大予言/サンダーマスク/ドラえもん(日本テレビ版)がなぜ放送されなくなったか、映像ソフト化されないのかを調査している。 ヲタク第1世代を自認する風太郎は特撮もそこそこ好きでウルトラセブンや怪奇大作戦の話は聞いていた。 また、ドラえもん(日本テレビ版)は「そんなのないよ!」とか「見たことない」と周りから言われ続けていた。それで「あれは妄想だったのか?」と思うまでだった。 しかし現実には放送されている。その点を明らかにされただけでもうれしかった。 放送されなくなった事情は「差別表現の問題」と「関係者の都合」と大きく大別される。それをしっかりと調査して書き記している。
お勧めどころ
テーマの好き嫌いはあると思うが、ふとしたことから疑問を持ち、それを調査していく。その一連の流れが読んでいる方の感情移入を誘う。その感情移入ができると 「すげー面白かった」という気分で読み終わる。そして、いくつかの知識が手に入る。それがまぁ無駄話のネタにもなる。これがこの本のお勧めどころになっているんです。 事実だけを淡々と書くのではなくて、一つ一つの調査の過程も書かれているところがあり、それが物語性を産み出しています。創作小説なら予定調和になるけど、 その過程はリアルなので、できなかったやできたがどうなるか?想定できません。そういう物語性を含めて良いノンフィクションですね。