OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

不景気の足音はAIバブル崩壊の序曲か?

景気悪化で真っ先に削られる予算

 不景気になると真っ先に削られる予算は「今 お金を儲けていないお金」です。 必要なところから順番にいうと

  • 人件費(せいぜい残業減です)
  • 材料など収益を産みだすものの源泉
  • 家賃など会社を維持するためのものです。

 です。そのほかに、今収益を出している費用が優先で、出していない費用の優先順位は低いでしょう。
そして、残念ながら多くのAI関係の会社は直接利益をだしていないところも多く見受けられます。

今はバブル崩壊か?

 これから起こるのがバブル崩壊なのかどうかはわかりません。専門家で「やべー!」と思っていても、特に責任ある立場であるほど、それを言うことはできません。ただ、今までよくあったのが米国発の債権バブルです。10年前後に一回発生します。
米人って学習能力ないのか?とおもったこともあります。別の考え方をしてみると、最初儲けようと思った人が儲けて、最後は一般庶民や税金に押し付けることを繰り返しているということかもしれません。最近また債券リスクが言われ始めました。
 ただ、崩壊かどうかは別として、多くの企業の予算削減は行われるでしょう。

AIバブル崩壊の予感

 バブルに関しては下記のブログから引用します。

www.financepensionrealestate.work

このブログからさらに再引用になってしまってもう分けありません。ここに次のような言葉があります。

同書1では、 投機のエピソードに共通しているのは、 世の中に新しいものが現れたという考えがあると指摘しています。 その時々に革新的だと喧伝されるものは、例外なしに既成のやり方をごくわずかに変えてみただけのものだ、という指摘は核心をついている可能性があるのではないでしょうか。

 このような定義を考えるとAIはまさにこれにあたります。無から急に現れたわけではありません。過去の研究の蓄積があり、それが開花して技術が発展しています。 また、データ拡張(Data Augmentation)のように車輪の再発明のようなこともあります。(品質工学を学んでいる方はよくご存じでしょう)
 少なくともAIとは全く新しいものではありません。

 さらに

そして、投機の終わりに近い段階では、真に価値のある対象から離れ、確実性の乏しい対象へ向かうと指摘されています。2

とあります。最近のAI企業への投資状況をみるとそのようにも思われます。

バブル崩壊後の対応はどうすべきか?

 今か、いつかAIバブルが崩壊した後どうなるか考えてみます。

futaro.hatenadiary.jp

で考えたように、バブルが崩壊したとしてもいろいろな技術が得られるでしょう。まずはこの技術まで失わないようにする必要があります。その他は今までのバブル崩壊と同じようなことを行った企業が次の時代に生き残るでしょう。

  • 短期的に必ず生き残る
  • 長期的視点を必ず入れておく

短期的に生き残るためには、リストラなど収縮策でしょう。また、販売にテコ入れするのもあり得ます。松下幸之助氏は生産量を半分にして、その人材を販売に投入した3とあります。また、某自動車会社は技術のメンバーを販売に投入したこともあります。(うわさでは〇台売ると元職場に帰れるため、貯金を値引き原資に充てて、販売台数を稼いだというのもありました)
 また、長期的視点も大事です。先程松下幸之助氏の件では、その後さらに飛躍しました。しかし、先程の某自動車会社の例ではその後されに経営が悪化しました。単純に短期に生き残るだけではだめだということの証左でしょうか?
 その差はどこから来たのでしょうか?いろいろ考えることがあるでしょう。ここから先は経営のプロではないので、言及するのは尊大すぎると思いますが。生き残った企業はバブル崩壊前から計画して、バブル崩壊後にも脈々と手を打っていました。

 


  1. バブルの物語(A Short History of Financial Euphoria) ジョン・K・ガルブレイス

  2. 熱狂、恐慌、崩壊 金融恐慌の歴史 C・P・キンドルバーガー

  3. 不況を突破した決断 | 松下幸之助.com