OFFICE風太郎

日本のエンジニア、風太郎です。問題解決が飯のタネです。仕事や生活で問題解決を活用したり、問題解決の基礎となる統計とかデータ分析の話をしていきます

【問題解決・品質向上】唐揚げの品質向上を考察してみる

(約1600文字) この記事は

futaro.hatenadiary.jp

の続きになります。

料理はエンジニアリングである

 「料理はエンジニアリング」である。と考えます。
製造業をやっていると料理と全く同じ概念で行なっています。
同じようなところ

  • 完成されたものが定量的に定義されているー量・味も成分や状態で定義できる・盛り付け(荷姿)も大事
  • 材料の量や質が定義されている
  • その手順や道具が明確になっている

 といったところです。そういったところから風太郎は人に説明するときに料理を例題に持ってきます。

唐揚げの品質向上を振り返る

 唐揚げの品質向上では実際の問題解決と異なり、足りない部分が多くあります。ざっと思いつく限りは次のところです。

  • 結果が定量的に把握されていない。(実際の温度、時間など)このとき唐揚げの結果も写真などで目で見て判断してもいいかと思います。(目視検査、官能検査というものです)
  • 結果に対して原理原則を考慮して、なぜこうなったか?という考察がされていない。
  • 横展開(他のことに対してこの考えがつかえるかどうか)を考慮していない

 といったところです。なお「対策打つ前に検討や事前評価」ということもおっしゃる方もいます。通常は行いますが、今回程は「悩む前にやってしまった方が良い」ということです。この程度の事はやってみてから考えた方がいい、ということも多くあります。
 実務でも上記のことを考えて仕事していく必要があります。

この事例のポイント

 今回行いたいことは「美味しい唐揚げ」を料理することです。そこをその目標値とせず、定量的に測れることとしたのがポイントです。また、その目標値はシンプルであればあるほど、対策立案が楽になります。
 また、鍋底が平面なのがいいのではないか?というのは「勘」でもあるし、今までの技術的な経験に裏打ちされた「アイデア」かもしれません。そういった「KKD(経験と感と度胸)」は悪く言われることもありますが、仕事には絶対に必要です。(当然悪さもあるけど別の機会に・・)
 一番大事なことは対象をよく観察することです。また、それは内部を想像することでもあります。今回のポイントは単純に起きていることを見るだけでなくて、その内面を考えることです。今回は、構造を知って、その原理原則(電磁波の流れ)を推定することにより「鍋が平面なこと」という条件を思いつきました。  IHの原理は次のサイトのようになっています。

電磁(IH)調理器の原理ー電磁誘導の利用ー : 物理質問教室

このサイトを見るとわかるように、IH調理器は磁界がループしています。この原理を知っていたので、怪しいと感じました。反面、普通の加熱ならできるじゃないか。と言うのが反論理由になる気もします。
 今回はわざわざ投資したのではなくて、今あるものを使ったのでトライしてみる気になりまりました。新しく何か購入するのであればさらに深く考えたでしょう。

問題解決の第一歩

 何度繰り返すように、最初の現状を正しく観察することが大事です。「現地・現物」っていうやつですね。そこによく原理原則から現実を考えることです。
 反面、時々「現地現物症候群」ともいうべき病があります。何も考えなくても、知識がなくても現地に行って現物見ればなんとかなる。というタイプです。そういうことには気をつけるべきでしょう。
 経験などに裏打ちされた十分な知識や、考える能力があって、現地現物が役に立ちます。
 なんども繰り返しているように最初に観察した事実が非常に重要です。